三人目 「保護ねことVEGAN(ヴィーガン)のお店 neu(ネウ)。」の岩下裕加里(いわした・ゆかり)さん《前編》

からほりらへん(変⁉)なヒトたち

「からほりらへん(変⁉)なヒトたち」by探偵旅団

からほりらへんの変な人※を取材するコーナーの第3回(前編)。

第3回の変な人は、保護ねことVEGANのお店neu。の岩下裕加里さんです。

いつでも猫が遊んでいるのを見かけそうな空堀エリア。トンネルのような長屋の入口をくぐって数秒。左手に見えてくるのが2019年オープンした「neu。」さんです。路地裏にあるお店の窓から猫のキュートな視線が…。歓迎してくれているようなので取材にお邪魔してきました。

※ここで使われる「変な人」は、個性的で魅力的な人に対する誉め言葉として使わせていただいておりますよ~。

お店に通じる長屋の入口。黄色い看板が目印!


巡り合わせ? 保護ねこカフェにたどり着いた偶然職歴

いろいろ聞きたいのですが、まず経歴から伺います
前職は何をされていましたか?

主に物販販売のお仕事をしていました
ある期間、事務員していた時があって、その時にヘルニアになってしまって…
その仕事を辞めることになったんですが、そんな時に知り合いからの誘いで野菜バーのお店の店長をすることになったんです
猫の保護活動を始めたのがこの頃です

いきなり飲食店の店長って、すごいですね!

お店の仕事が本当に忙しすぎて自分のやりたいことをする時間がほとんどなかったです

そうだと思います

だんだんと保護ねこカフェをやりたいという思いが、この頃に大きくなっていきました

しばらくして、忙しさから解放されたんですね?

2年くらいしてようやく仕事や辞めることができて…

長いでしょ(笑)

辞めてから、しばらくニートをしていたんです

極端じゃないですか(笑)

そんな時に中崎町の保護ねこカフェでのアルバイトのお話をいただいて

また誘われたんですね

そこで半年間アルバイトをしていました

ここで保護ねこカフェの運営を経験されたわけですね

今思うとその経験がすごく生きています
ここでのお仕事で沢山のことを教えていただきました

飲食店での店長経験、保護ねこカフェでのアルバイト経験
、この2つは誘われて出来た経験というのがまさに運命(笑)
保護ねこカフェ開業のロードマップみたいじゃないですか!

考えてみればそうなんですよ

お店は2階建てで、こちらは1階の猫ルーム


お店に居る保護ねこって?

お店について伺います
保護ねこがいるお店(カフェ)って、いくつもあるのですか?

比較的多いのは大阪市中央区・北区かな
お客さんがどれだけ意識されているかはわかりませんが、【保護ねこカフェ】と【ねこカフェ】はシステムが少し違います

え!!
確かに言われてみれば…、フクロウカフェとかもそうですが、単に動物と触れ合うことが目的のカフェありますね
具体的な違いを教えてください

当店の場合は在籍しているねこが【様々な理由で保護された猫】で、譲渡には条件がありますがその猫の里親になれるというのが【譲渡型の保護ねこカフェ】の特徴でしょうか
ちなみに在籍している猫は保護ねこですが譲渡はしていない保護ねこカフェもありますよ

では、その【保護ねこ】について教えていただけますか?

このお店にいる子たちは、TNR活動やセンターからやってきた子や、多頭飼育崩壊など、様々な理由で保護された子たちなんです

TNRですか?

TNR活動内容を簡単に説明すると
T(TRAP)…捕獲機で野良猫を捕まえます
N(NEUTER)…手術して猫が増えないようにします(病気やケガがあるケアすることも)
R(RETURN)…捕獲した場所にリリースします
捕獲した猫の中で人慣れしている子や小さすぎる子は保護に切り替えて里親を探すこともあります

初めて聞く活動です
保護に切り替わった子たちは里親が見つかるまで一時的にこのお店で保護されているんですね

ここに居るのは主に保護活動をしている知り合いや、友人との活動で保護した子ですね

リリースされる猫もいるんですよね

耳がカットされた猫を見かけたことはないですか?

あります、あります!

これは虐待や怪我ではなく、その猫たちが去勢、避妊手術済という目印なんです

そうだったんですね!
これは私たちが知っておく必要がありますね


必要なピースを埋める TNR活動からのカフェ経営

TNR活動ですが、岩下さんはどんなきっかけでこの活動を始められたんですか?

小さい時から動物が好きでした
いつからか、毛皮やコスメや日用品など動物が犠牲になるようなものは極力避けるようになりました
5年ほど前から友人と一緒にこの活動を続けています

保護ねこカフェを始められた理由を教えてください

TNR活動がライフスタイルに合わなくなってきた時期があったんです

店長されていた忙しい時期でしょうか
肉体的にとかですか?

猫って夜行性なんですよ

確かに夜中に鳴き声を聞くことが多いです

捕獲って深夜や早朝に行うことが多く、当時のお仕事との両立が大変だったんです

捕獲機を放置できないってことですよね

そうなんです
捕獲機は仕掛けたまま放置することが出来ませんので、猫が入るまで少し離れて確認できる場所で待機し続けます

それは忍耐力と体力が必要ですね

おまけに私は車が運転できなくて…
病院へ連れて行くのも運搬担当と日程を合わせたり、病院の予約を取っても肝心の猫が捕獲できなかったり、少ない休みで活動を続けるのはひと苦労で何をするにも非効率だったんです
そういった経験から、TNR活動で捕獲された猫達を一時保護していくポジションにシフトしようと決断をしたんです

あきらめるんじゃなくて、強く前進すると決めたんですね、パワフル!
他にもTNR活動を続けていくにはご苦労もあるんじゃないですか?

ありますねー(笑)
その一つが「里親を探す」=「見つかるまで【保護】し続ける」という問題です
不妊手術後に捕獲した場所にリリースするのがTNRの流れなのですが、里親が見つかる可能性がある猫=「子猫や人に慣れている子」は、できるだけ里親探します
ただ、その時々で保護活動者たちのキャパも変わってくるのでキャパオーバーすれば子猫でも保護は出来ないですし、逆に余裕があれば人に慣れてなくてもリリースではなく保護に切り替えることもあります

活動内容を伺っただけでは想像つかないですが、里親に引き渡すまでの【保護】って結構大変なんですね

そうなんです
ノミダニなどの駆虫から始まり、ウイルス感染のチェック、病気の治療・回復、ワクチン接種、その間保護する場所の確保、人慣れ訓練…

すごいお世話が必要なんですね
それと都会だと場所も重要ですよね

ウイルス感染の有無を確認するなどを目的にお店に入れる前に保護主は2週間~1カ月ほど完全隔離(保護)しないといけないのですが、その間、他の猫たちとは一緒にできないので保護場所の確保ってかなり難しいんです
その期間以外にも里親が見つかるまで保護し続けます
賃貸マンション等は飼育頭数も決まっている所が多いですし、 一軒家の方や猫用の部屋が使えるという条件の方じゃないとなかなか厳しいのが現状です
おまけに、里親とのマッチングも課題です
誰にでも譲渡するわけではありませんので

動物愛護の想いがあっても、そう簡単には続けられない現状があると

それに保護主さんが、個人対個人で猫を里親に譲渡する場合にトラブルになったりするケースもありまして…

個人で活動するには大変なんですね

もちろん個人でバリバリ活動されている方はたくさんいますよ
ただ、保護主にはそれだけ医療費などの金銭的、場所的、精神的負担があるんです

なかなか個人ではハードルが高そうです

私も自宅で多頭の猫を保護することが難しく、そこで「保護ねこカフェ」をやろうと思ったんです
お店にすれば、他の保護主さんから猫を預かり、里親さんと出会える場所ができますし、私自身が保護した子の里親さんも探せるので

なるほど!

2階の猫ルームにもたくさんの猫たちが…写ってないけど。。。

2階メンバーの写真

場所の問題はお店で解決できますし、保護している子たちは実際にお客さんと接することができるので、里親とのマッチングには最適な環境だと思います
お店だと規定通りに行えばトラブルも少ないです
お店の収益は保護活動に充てられるので、継続した活動ができます

まさに理想的な形、必要なピースとしての「保護ねこカフェ」だったんですね!

保護主と里親との中間の保護拠点みたいなところを担うことができていると思っています
お店に来て猫たちと遊ぶことが、猫にとっての人馴れの訓練になります
人に慣れている子は、里親が見つかりやすいので間接的にお客様も保護活動の一員です

本当に貴重な場所です
昨今、持続可能という言葉が使われていますが、まさに持続するためのシステムなわけですね


後編に続く…


猫ルームの利用料金

1時間 1,500円 延長15分 300円
※3歳以下のお子様も猫ルーム利用料金が発生します

各ランチ 1,200円~

保護ねことVEGANのお店neu。(ネウ)さんのお店情報

住所大阪市中央区谷町6-17-5
アクセスOsaka Metro 鶴見緑地線 松屋町駅 5番出口から徒歩5分
Osaka Metro 谷町線 谷町六丁目駅 3番出口から徒歩8分
Osaka Metro 長堀鶴見緑地線 谷町六丁目駅 3番出口から徒歩8分
営業時間13:00~21:00(平日)
12:00~20:00(土・日曜、祝日)
※感染状況により変更となっている場合があります。
定休日 不定休
電話番号 06-4305-3584

※取材時点の情報です。情報が変更になっている場合がございますので、詳しくは電話等で事前にご確認いただくようお願い致します。


記者(ライター)紹介

にっしゃん(探偵旅団/参謀)

まちのローカル情報(不思議やナゾ)を探偵のように調査(取材)し、メディア発信する記者一家、その名も探偵旅団(たんていりょだん)。そこの参謀がにっしゃんです。
2007年から上町台地の地域情報紙『うえまち』でローカルメディア制作に10年以上携わりました。2014年からは編集長となりデザイン、編集・企画・取材・営業など様々な業務を行ってきました。多くの取材現場を経験させてもらい、写真撮影や取材のスキルは持っています。
編集長時代は、ライターというより取材・編集・デザインがメインで、書くことは好きでしたが専属ライターがおり書くことがあまりなかったです。今回、このコーナーを記者としてライティングできることは大変うれしく思っています。

「探偵旅団」とは

誰かの当たり前は、誰かにとっては不思議やナゾかもしれません。普段、自分たちが暮らすまちには、ある人にとってはたくさんの当たり前があり、同時に不思議やナゾも隠れています。そんなまちのローカルな不思議やナゾという「情報」を探偵のように、調査(取材)、分析、解明、そして発信していく記者一家、それが探偵旅団(たんていりょだん)です。
私たちは「伝える」ということは文化的で素晴らしいことだと考えています。人を介して得られる情報には時として心(魂)が宿っています。取材で得られた生きた情報に込められた心(魂)を見つけ出し、言葉やアート(デザイン)でつむぎ出していく。そこにさらに私たちの心(魂)を込めてメディアで発信していく、これが探偵旅団の主な活動内容です。

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