三人目 「保護ねことVEGAN(ヴィーガン)のお店 neu(ネウ)。」の岩下裕加里(いわした・ゆかり)さん《中編》

からほりらへん(変⁉)なヒトたち

「からほりらへん(変⁉)なヒトたち」by探偵旅団

からほりらへんの変な人※を取材するコーナーの第3回(中編)。

第3回の変な人は、保護ねことVEGANのお店neu。の岩下裕加里さんです。

いつでも猫が遊んでいるのを見かけそうな空堀エリア。トンネルのような長屋の入口をくぐって数秒。左手に見えてくるのが2019年オープンした「neu。」さんです。路地裏にあるお店の窓から猫のキュートな視線が…。歓迎してくれているようなので取材にお邪魔してきました。(中編)

<< 前編

※ここで使われる「変な人」は、個性的で魅力的な人に対する誉め言葉として使わせていただいておりますよ~。 (これまでの取材記事はコチラから)


<< 前編

猫が置かれた現状 捨てられ続ける猫

保護される猫は公園などに捨てられている子たちなんですか?

引っ越しの時に荷物と一緒に捨てられたり、保健所から引き出されたり、多頭飼育崩壊の現場からや、飼い主による飼育放棄など理由は様々です

引っ越しの時に捨てる?
ゴミ扱いじゃないですか!

そういう人もいます
引っ越しシーズンに捨て猫が増えることもあります

寂しい現実ですね

次の引っ越し先では飼えないからという理由で公園に捨てたり、置き去りにしたり
そういう人って、猫はその後「誰かに拾われて幸せに暮らしてね」って都合よく考えているんでしょうね

すごく自分勝手ですね

想像通り…
なんてありえないんですけどね

普通考えて、捨てられた後っていいことないですもんね

私からすれば次の引っ越し先を選ぶ時に、猫が飼えないっていう場所を選ぶこと自体がおかしいって思いますね
仕方ないとかないです

経済的な理由で簡単に捨ててしまうんですね

1階の猫ルームは外から見ることができる


保健所から引き取るというのもあるんですね?

私はセンター(保健所)からの引き出しはしていませんが、保護活動をされている方でセンター引き出しボランティアをしている方もいます
センターに収容された「猫の情報」は、飼い主がいる場合(脱走や迷子猫等)があるので、全てではありませんが、掲示される仕組みになっています

知らなかったです

センターで譲渡会を開催している所もあって参加猫たちの情報が見れるようになっています

いきなり殺処分はしないんですね

それは時と場合によると思います
センターでも収容数に限りがありますので…
里親希望の一般の方で条件が合えばセンターから引き取れるシステムになっています

テレビかなんかで聞いたことありますよ

センターに収容された猫をボランティアさんがレスキュー(引き出しボランティア)する場合もあります

まさにレスニュー!

意外に思う方も多いのですが、センターでは病気やケガの治療した上で里親探す場合もありますよ(勿論その時のセンターの収容数等によって出来ることは変わってきます)

ケアを?
意外です?

行政の対応も今はよくなってきているみたいです

嬉しいことですね!
野良犬って最近は滅多に見なくなりましたが、猫はよく見ます
やはり、犬の殺処分は多いんでしょうか?

殺処分は年々減ってきていますが、犬より猫のほうが多いのが実情です

犬の方が多いと思っていました!

出産シーズンになると子猫の持ち込みも増えるそうです

誰が持ち込むんですか?

一般の方ですね

え!?

殺処分のほとんどが子猫なんです
自宅の庭などで野良猫が子どもを産んで困っているという理由で産まれて間もない子猫が持ち込まれることもあります

鳴き声とかフンなどの衛生面とかでしょうね

殺処分を減らすには収容される猫を減らさなければいけません
その為、TNR活動がとても大事になってきます
TNRで猫の数を減らし、里親を探していく。両方の活動が大切だと思います

※TNR活動については前編を参照


いらっしゃいませ~ byねこスタッフ

ネウ。さんに居る全ての猫に耳カットが入ってないのはどうしてですか?

保護猫=耳カットではないですよ
耳カットはお外にいる子の避妊手術の有無を確認する大切なマークです
手術を昔にしていた場合、手術痕がなくなっていると手術の有無が分からなくなり、再度手術…なんて可哀想ですからね
耳カットがあれば判断できます
私の場合は捕獲した子で外にリリースする子は耳カットを入れますが、そのまま保護して里親を探す場合耳カットは入れません

そうなんですね
今、どれくらいの猫がここに居るのですか?

【ねこスタッフ】ですが、今は在籍20匹(取材時 2021.6.3)。
タイミング的に少ない方ですね

この子たちは【ねこスタッフ】さんなんですね!
20匹でも少ない方なんですか!

1階のねこスタッフたち

1階と2階で猫達の雰囲気も違う 2階は恥ずかしがり屋?が多い

少し前まで30匹くらいいましたが里親が見つかり卒業していきました
今も子猫7匹がデビューを待っている状態なんですよ

お店だと里親ってすぐに見つかるもんなんですか?

子猫の方が大人猫より里親が見つかるのは早いです
最短3時間(笑)
逆に1年半くらいいてる子もいますね

そうなると「看板猫」ですね

いらっしゃいませ~

里親になる条件というのがありまして、子猫は大人猫に比べると譲渡条件が厳しくなります

条件があるのは当然だと思います
どんな条件なんですか?

例えば、留守番は6時間以内とか、高齢者の方への子猫の譲渡不可とか、あとは猫によって性格がバラッバラなので、猫と里親さんの飼育環境が合うかが一番大事かなと思います
例えば、猫嫌いの子は先住猫がいるお家は譲渡不可や、ベッタリ甘えん坊の子は家にいる時間が長い人の方がいいかな、とか、運動量の多い子なら1Kは狭いかな、等
先住猫さんの性格を聞いてこの子なら一緒に遊んでくれそうとか里親さんと一緒に決めることもありますよ!

ちゃんと飼ってくれる方にしか譲渡できない仕組みになっているんですねー
今いる子たちは何歳くらいなんですか?

子猫もいますが1歳~3歳くらいの猫がほとんどです

これだけのスタッフねこのお世話となると大変そうですね

お世話は大変ですよ~(苦笑)
特に体調不良の時はほんとうに大変で、毎日病院に連れていくこともあります
通院が多く心配ばかりしていた子に里親さんが見つかると嬉しいけど寂しいです

卒業していくのが目的の一つですもんね

だから、里親が見つかることの方がもっともっと嬉しいです


猫にも個性の時代!

猫にも人間と同じでそれぞれ性格や特徴があって、育った環境によっても全然違います

猫にも個性ですね

猫じゃらしって1種類じゃなくて、何種類もあるんですが、その遊び道具や遊び方で喜ぶ猫が変わってきます

好奇心のベクトルが違うってことですね

この子は、ヒモだけの猫じゃらしで床を滑らせるとよく遊ぶ、みたいに。

いろんな猫じゃらしがたくさん

確かに、この遊び方じゃ、他の猫が反応しないですね!

お客様の中には猫と初めて接する方や遊び方がわからない人も沢山いらっしゃるので遊び方をレクチャーしたりもします
(常連さんの方が遊ばせるのが上手いのは秘密です。笑)

猫の性格や好きな遊び方を教えてもらえると、猫タイムが充実します

猫が甘えてくるサインとか、触ったら喜んでくれる場所も猫によって違うので気軽に聞いてください

<< 前編はコチラをClick


後編に続く…


猫ルームの利用料金

1時間 1,500円 延長15分 300円
※3歳以下のお子様も猫ルーム利用料金が発生します

各ランチ 1,200円~

保護ねことVEGANのお店neu。(ネウ)さんのお店情報

住所大阪市中央区谷町6-17-5
アクセスOsaka Metro 鶴見緑地線 松屋町駅 5番出口から徒歩5分
Osaka Metro 谷町線 谷町六丁目駅 3番出口から徒歩8分
Osaka Metro 長堀鶴見緑地線 谷町六丁目駅 3番出口から徒歩8分
営業時間13:00~21:00(平日)
12:00~20:00(土・日曜、祝日)
※感染状況により変更となっている場合があります。
定休日 不定休
電話番号 06-4305-3584

※取材時点の情報です。情報が変更になっている場合がございますので、詳しくは電話等で事前にご確認いただくようお願い致します。


記者(ライター)紹介

にっしゃん(探偵旅団/参謀)

まちのローカル情報(不思議やナゾ)を探偵のように調査(取材)し、メディア発信する記者一家、その名も探偵旅団(たんていりょだん)。そこの参謀がにっしゃんです。
2007年から上町台地の地域情報紙『うえまち』でローカルメディア制作に10年以上携わりました。2014年からは編集長となりデザイン、編集・企画・取材・営業など様々な業務を行ってきました。多くの取材現場を経験させてもらい、写真撮影や取材のスキルは持っています。
編集長時代は、ライターというより取材・編集・デザインがメインで、書くことは好きでしたが専属ライターがおり書くことがあまりなかったです。今回、このコーナーを記者としてライティングできることは大変うれしく思っています。

「探偵旅団」とは

誰かの当たり前は、誰かにとっては不思議やナゾかもしれません。普段、自分たちが暮らすまちには、ある人にとってはたくさんの当たり前があり、同時に不思議やナゾも隠れています。そんなまちのローカルな不思議やナゾという「情報」を探偵のように、調査(取材)、分析、解明、そして発信していく記者一家、それが探偵旅団(たんていりょだん)です。
私たちは「伝える」ということは文化的で素晴らしいことだと考えています。人を介して得られる情報には時として心(魂)が宿っています。取材で得られた生きた情報に込められた心(魂)を見つけ出し、言葉やアート(デザイン)でつむぎ出していく。そこにさらに私たちの心(魂)を込めてメディアで発信していく、これが探偵旅団の主な活動内容です。

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