2013年(平成25年)3月18日発行
不況の影響で近年大阪は元気をなくしているかに見えますが、この街には、お家芸である実学と芸能の精神が脈々と息づいています。
(からほり新聞 第26号 知・情・意を育てる「空堀ことば塾」空堀ことば塾 主宰 塙狼星)
卒業式といえば、昔は「蛍の光」をうたったものだが、わたしはその体験はない。小学校(国民学校)の卒業は真珠湾攻撃の直後で日本軍は香港、マニラ、シンガポールを占領して戦線を広げている最中だった。イギリスは敵国で、「蛍の光」はアイルランド民謡が基となっているから、敵性音楽などもってのほかということだった。四月に府立高津中学(現高津高校)へ進んだが、試験科目は口頭試問と体操だけ、わたしは体操が苦手で、特に鉄棒の逆上がりが全然出来ずに困った。制服はス・フと呼ばれた粗悪な化学繊維でできていて、袖から指先が少し覗くていどに大きくても、一度水にくぐらせると、肘あたりまで縮んでしまった。全国に金属がなくなっていて、ボタンはすべて陶器製、戦闘帽の校章は刺繍で縫い付けてあった。登下校には巻脚絆というゲートルを両足に巻き付けるのだが、生地が荒いから歩いているうちに弛んで解けてくる。教師に逢えば挙手の敬礼をしなければならない。学校のすぐ横に難波宮跡の石碑があって、校名由来だから敬礼をしてから校門をくぐる。戦後、山根徳太郎氏が本来の難波宮跡を発見するまで、この地が難波宮の地と信じられていたのである。
(からほり新聞 第26号 「昭和二十年 真夏の卒業式」福田紀一)
コトバに言霊(ことだま)という精霊が宿るなら、カタチにも形霊(かたちだま)という精霊が宿っているはず。その始原的な形を追求することが、西村さんの発想の源になっています。
(からほり新聞 第26号 「快傑!からほり人」三井康栄)
からほり新聞 第26号
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