2004年(平成16年)5月1日発行
空堀はその字のごとく、大阪城の南端で水の無い堀の土手であったと聞いております。その土手であった所に建っている家々は、表からみれば二階建て、裏から見れば四階建てになっています。また、櫛(クシ)のように路地が並んでおり、その路地を走り回って子ども時代を過ごしました。幸い戦災にもあわず、建物と共に、幼稚園時代からの友達も今もこの地で共に暮らしています。
(からほり新聞 第5号 「この町に生まれ、この町を愛し」南空堀振興町会長 八木ひろし)
「天王寺七坂巡り」へご案内しましょう。
まずは、千日前通り沿いにある「真言坂」。生國魂さんの北門へ続く短い坂ですが、千日前通ができる明治末期までは、高津神社参道まで続く長い坂でした。
松屋町通り沿いをしばらく南へゆくと「源聖寺坂」、さらに南には「口縄坂」があります。どちらも石畳の坂で閑静な周囲の風情とよく調和しています。特に「口縄坂」は絵ハガキなどでもよく目にするオオサカの代表的な坂です。この辺りの「夕陽丘」という地名は、鎌倉前期の歌人、藤原家隆が上町台地から見る夕日の美しさに感嘆して歌を詠んだ事からきているそうです
大阪星光学園の北側には、「愛染坂」があります。その名は愛染かつらで有名な勝蔓院(しょうまんいん)の愛染堂から付けられました。
星光学園と清水寺の間にあるのが「清水坂」です。清水寺には見晴らしの良い舞台や、大阪市内唯一の滝「玉出の滝」がありますが、どちらも京都清水寺の舞台や「音羽の滝」を模したものだそうです。
清水寺の前を南へ歩くと「天神坂」があります。その名は坂下の「安居天神」からですが、ここは大阪夏の陣で奮戦した真田幸村の戦死跡碑があります。
そして、その南の国道25号線が最後の坂、「逢坂(おうさか)」です。松屋町筋との交差点は「合法の辻(がっぽうのつじ)」と言うのですが、聖徳太子と物部守屋(ものべもりや)が仏教を論じあい、法を比べ合わせたことに由来しています。
(からほり新聞 第5号 「魅力いっぱいの上町台地を歩く」大阪案内人 西俣 稔)
普段何気なくかぶっている帽子の製造には”型”が必要なことをご存じだろうか?東平町に住む池田さんは、帽子の金型を作っている。大阪で唯一の職人であり、この町で生まれ育った長老的存在でもある。
~中略~
帽子製造は、熱した型に生地を押しつけ整形する行程があるのだが、この時に完成品の帽子のフォルムは決まる。つまり、金型のフォルムは、そのまま完成品の帽子のフォルムとなるのだ。池田さんは一般向けの商品の型も作るが、大阪府警の帽子やプロ野球団の帽子の金型も作っている。目立つわけではないが、多くの人が間接的に池田さんの仕事を目にしているのだ。
(からほり新聞 第5号 「快傑!からほり人」高田次郎)
からほり新聞 第5号
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