2015年(平成27年)3月10日発行
僕が所属する「視覚障害者文化を育てる会」で、「『盲町=目に見えない町』は切るべからず!」というイベントが行われた。晩秋の一日、五十名余の参加者が空堀のまちあるきを満喫した。このイベントで僕自身は『盲町』の波を感じた。住民が行き交う路地、商店街には独特の音、においのみならず、人々が織りなす気配がある。気配とは気配りとも言い換えることができる。白杖を持った触常者の団体がわいわい、がやがや”まち”を散策すれば、当然目立つ。「あの人たちは何をしに来たのか」「ぶつからずに歩けるかな」。”まち”が発する好奇心、思いやりが波長となって僕の体に届いた。一方、触常者から”まち”に送られる波も看過できない。まちあるきは触常者にとって非日常の体験である。残念ながら、障害者の観光を気軽に受け入れる環境は、まだ不十分と言わざるを得ない。
(からほり新聞 第33号 「観光のユニバーサル化をめざして」国立民芸学博物館准教授広瀬浩二郎)
昭和20年3月13日の夜、大阪市は焼夷弾の大空襲を受けました。我が家にも火がつき、父母と三人でバケツn水で消そうとしましたがとても手に負えません。「御堂筋の方へ逃げろ」と父に促され、母と外に出ましたが、周りは炎に包まれていて逃げ場もありません。勢いづいた炎は、アチコチで渦を巻き炎の竜巻となって襲って来るのです。その勢いは電信柱(木製)の上半分が吹き飛ぶほどの凄まじさでした。
~中略~
戦後結婚してからは八尾に移りましたが、ある日お雛様を買いに主人と松屋町に行った時、空堀商店街が昔のままの姿で残っているのを見つけました。「ああ、燃えてない所もあったんやなあ」焼野原しか覚えていない私は、暫くそこに立ち尽くしていました。
(からほり新聞 第33号 「恐ろしい火災旋風の竜巻を経験して」上野福子)
松下さんが拠点を置く空堀にも独自の魅力があるそうです。拠点を置くようになってから、昔ながらの地域のつながりの強さ、そこから生まれる豊かな生活の魅力を再発見したという松下さん。「空堀の魅力は路地。車が入ってこないので子供やお年寄りが安全に移動できます。その中で人々との交流があり、暮らしが近く、ほどよい距離感がある。そして、大阪城の空堀だったこの町は堀、歴史とともに暮らす、受け継ぐことができるすばらしい場所です」今後は、からほり井戸端会のような大阪に取り残されている古い空家などを町の資産として活かしていくような仕事だけでなく、自身も子育て真っ最中なため、子どもを育てやすい環境づくりにも携わっていきたいそう。
(からほり新聞 第33号 「快傑!からほり人」岡田由佳子)
からほり新聞 第33号
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