2019年(平成31年)3月8日発行
一大事を終え、レジも済ませ、ヘトヘトで、おそらく目の下にくまができていたであろう顔で買い物を終えた私に「大丈夫?娘ちゃん大変やったら、私預かるよ!」と声をかけてくれたのは、近所のクリーニング店のおばあちゃんだった。一瞬、神の声かと思った。
その後実際におばあちゃんに預けたことはなかったが、そういってくれる人がいる、温かくてやさしい雰囲気があるこの空堀がより好きになった。
おしゃれなお店がたくさんあったり、暮らすのに便利だったり、そういうのは雑誌や本にこと細かく載っている。しかし、人の温もりは住んでみないとわからない。
(からほり、いいやん。 山本和代)
ある日寮長が「本日、前に防空壕が完成したから、今夜から警報発令の際はそちらへ避難せよ、地下室は万一の場合非常に危険だから」と言われました。その夜半に、昭和20年3月13日の大阪大空襲に遭おうとは、夢にも思いませんでした。
新しい壕に入り昼間の疲れでウトウトしていると、急に空が明るくなり外を覗くと、焼夷弾が炸裂、しだれ桜のように次から次と日が落ちてきます。誰かが「敵機だ、キャアー」と叫ぶ声。あちこちの家が燃えており、わたしたちの寮も燃え上がっていました。もう駄目だと思った時、寮長が「防空頭巾の上から濡らし座布団を被り、毎日新聞社へと非難せよ」と命じてくださったので、無事に火の海から命を守ることができました。
思えばあの屋外の防空壕の完成が一日でも遅かったら、十代でこの世には居なかった筈の私。九死に一生を得るとはこの事です。
(九死に一生を得た命に感謝して 横田コヨ子さん)
空堀商店街の坂を下って西側に来られたら瓢箪のついた馬印が見つけられると思います。
これは平成3年に長浜市と提携して瓢箪祭りをしたときこさえたものだそうです。
長浜城は秀吉が最初に城主になり最後が大阪城というので空堀で長浜市の方と一緒に瓢箪祭りを賑やかにされたそうです。今残っている馬印がこの3つだけだということでした。その時瓢箪の苗も配られ、できた瓢箪を今も飾っておられます。
宇治茶園の前にある馬印。空堀ナショナルセンターの前の馬印、土居の昆布屋の横にある馬印、こんなのも話題に見においでください。
(秀吉の馬印)
からほり新聞 第46号
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